Narration Playlist: news23 月・火、Nスタ 木・金* (405ND_430W*_442イチメン_520三コマ*)

2020-04-15

毎日新聞-赤坂電視台

毎日新聞-赤坂電視台
加藤シルビアアナウンサー/1~3 朝の気持ちにそぐう番組に
毎日新聞2020年4月14~16日 東京朝刊
<TBS系情報番組「あさチャン!」(午前6時)>
2年間の産休、育休を経て、昨年春に「あさチャン!」で職場復帰しました。今、長男が2歳で長女が1歳。以前は、子供たちがご飯を手づかみでグチャグチャにするたびに、片付けるか、残りを食べさせるか、お風呂場に連れて行くかと、考えていました。でも今は「まあ、いいか」と子供らしさを受け入れています。新聞を読む時間もなかったのが、働きに出たことで自分の時間が持てて、心に余裕ができたからでしょう。仕事はチームワーク。みんなでより良い番組を目指すことが自分は好きなんだなと改めて感じています。
最近は新型コロナウイルスに関する情報を連日伝えていますが、最大限の注意喚起をしながら、視聴者に精神的負荷をかけ過ぎないようにしたいという葛藤が常にあります。悩みながらも「あさチャン!」らしく、司会の夏目三久さんを柱に、視聴者の皆さんの朝の気持ちにぴったりそぐう番組にしていきたいです。

育休中に局から職場復帰の話があり、夫に相談しました。育児分担なしでは到底できません。すると「やったらいいよ。60歳までその生活が続くわけじゃないし」とすぐ賛成してくれました。本当にありがたいです。
この1年、子供たちの朝食作りやオムツ替えなど、朝の育児は全て夫の担当。私は朝8時に番組が終わったら急いで帰宅し、彼とバトンタッチします。お互いにリモートワークも取り入れながらの生活です。1年間で夫の育児スキルが上達したのはもちろん、私がすごくうれしかったのが、「この生活をやって良かった」という言葉。子育ての何がどう大変かを実体験したことで、私から言われていた数々の小言にも合点がいき、意識のズレが少し軌道修正されたようなのです。慣れない子育ての大変さを夫婦で経験すると、責任を持って子供たちの命を守るという一番大切な目的を共有でき、相手の存在をとても心強く感じます。

家庭を持ったことで、虐待や貧困など子供を取り巻くニュースへの関心がより強くなり、受け取り方も大分変わりました。昨年は、児童虐待事件の母親の裁判について「あさチャン!」内で手を挙げ、取材に行かせてもらいました。子供は本当に可愛いです。けれど育児のつらさも分かります。何か問題が起きた時、常識で切り捨てるのではなく、人の心や社会制度にも触れながら、皆さんにお伝えしていけたらと思います。
子供向けの科学番組やコーナーも、いつか挑戦したいですね。これは理科が大好きで、大学時代に物理を専攻した私の夢。宇宙やAI(人工知能)は一見とっつきにくいけれど、分かりやすく伝えれば子供の好奇心をかき立てる世界だと思います。
この4月から「あさチャン!」出演2年目。母親としての視点も生かしながら、すがすがしい一日の始まりをお届けしていきます!(次週は膳場貴子さんです)
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笹川友里アナウンサー 本人役でアニメ&実写版に登場
毎日新聞2017年6月29日 東京朝刊
<TBS系「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド~機動救急警察~」(土曜午前7時)笹川アナの声など>
私は、アニメの中で災害や事件の様子を伝える「笹川友里アナ」の声を担当しています。アナウンサーという冷静な立場でいながら、大好きなドライブヘッドを前にするとテンションが上がる役どころ。本人より何倍も清楚(せいそ)に描いてくださっているのでうれしいです。ちゃんとしようとしているのに、おっちょこちょいだったりするところは私と似ているかもしれません(笑い)。
声優は挑戦したい仕事の一つでしたが、普通に話していると気持ちが伝わらないのですごく難しい。アフレコの時は喜怒哀楽を誇張して表現することを心掛けています。ドライブヘッドはかっこいいですし、現実に沿った物語も面白い。ミニコーナーの「ドライブヘッドライン」では、実写版の笹川アナとしてアニメと同じコスチューム&メガネ姿を披露しているので、一人でも多くの方に見ていただけたらと思います。(次週は長瀬智也さんです)

井上貴博アナウンサー/1 「自分の温度感」でお伝えしたい
毎日新聞2017年12月19~21日 東京朝刊
<TBS系「Nスタ」(月~金曜午後3時49分時半)キャスター>
4月から「Nスタ」でメインキャスターを務めていますが、この仕事を打診された時は驚きしかありませんでした。夕方から夜にかけて放送される報道番組を、32歳(当時)という年齢で任せられるとは思ってもいませんでしたから。
他局の同時間帯番組を見ても、さまざまなキャリアを経た方がキャスターを務めていますし、オファーの話が来たときは「僕がですか?」と聞き返してしまったほどです。大きなうれしさもありました。「今の若さでこのポジションを任せていただけることは、とても幸せで、ありがたいことだ」という気持ちは、8カ月たった今も持ち続けています。
だからこそ、僕がメインキャスターを務める意味を考えながら出演しています。同じニュースでも、話し手の年代で切り口が異なりますが、正解はありません。日々悩みながらも、なるべく「自分の温度感」でお伝えしたいと考えています。

僕は以前、朝の情報番組で取材キャスターなどを担当していましたが、出演時間帯が変わったことで大きな変化がいくつかありました。まず、視聴者層。朝はビジネスマンが多くご覧になっていますが、今は家事をしながら見ている主婦の方が主な視聴者で、時間が進むにつれ、仕事から帰宅された方が加わります。慌ただしい朝にはスピード感が必要だと思いますが、「Nスタ」ではどんなペースが視聴者の感覚にマッチするのだろうと考えています。
メインキャスターになったことで、番組での立ち居振る舞いにも変化がありました。サブの時はメインの方に絡みながら前に出ていくことを意識していましたが、今はいかに「引く」かが重要。僕自身の言葉の量は以前より減ったと思います。その分、いかにホラン千秋キャスターや国山ハセンキャスターの言葉や個性を引き出すことを意識して番組を進めています。

キャスターになって8カ月、失敗を恐れず、いかに次につなげる失敗ができるかだと思っています。報道番組には硬いイメージがありますし、それが必要でもあります。ですが、僕、ホラン千秋キャスター、国山ハセンキャスターといった若いチームで番組をやる以上、笑顔が絶えない柔らかい雰囲気があっていいと思う。オンとオフの振り幅を大切にする上で、どこをどう線引きするか、つかんでいきたいですね。
今の僕が心がけていることは、以前、先輩に言われた「心に残る言葉は量じゃない、質だ」という考え方。若い頃は「もっと前に出よう」という思いがあって反発していましたが、今はその言葉の意味がよくわかります。将来的にも、この司会業を極めていきたいと思っていますし、アナウンサー出身者ならではの強みを「Nスタ」で培っていくことが目下の目標です。

藤森祥平アナウンサー/1 2人のアナウンサーとの出会い
毎日新聞2018年2月13~15日 東京朝刊
<TBS系情報番組「あさチャン!」(月~金曜午前5時25分)レギュラー>
アナウンサーを目指したきっかけは、大学3年の時に軽い気持ちで参加したTBSのアナウンサーセミナーです。2人のアナウンサーとの出会いが、「ここで働きたい」という強い思いに変わりました。
一人は親身になって向き合ってくれた2期上の優しい先輩。もう一人は非常に怖い大先輩です。フリートークで「地震」と「自信」をかけて言葉遊びをしてしまった私は「言語道断だ!」と特大の雷を落とされました。体に電気が走り、他の受講生たちも凍り付きました。しかし、帰り際、大先輩は愛情あふれる言葉もかけてくれました。テクニックよりも人のぬくもりや伝える心を身をもって学んだそのセミナーが、私のTBSアナウンサーへの第一歩です。
あれから20年。不惑の40歳に今年なりますが、やりたいことが年々増えて、もう惑いっぱなし(笑い)。今は「あさチャン!」に新たな風を吹かせたいと模索中です。

平日は午前2時に起き、3時前に出社。朝刊全紙とニュース原稿をチェックしながらミーティングをしていると、あっという間に放送時間。午後は取材に出ることもありますが、比較的早いうちから自由時間です。
昼夜逆転に近い生活で気を付けているのが、テレビをご覧になっている方との感覚のズレ。皆さんが活動している時間帯に眠ってしまうと、伝える側と受け取る側で目に見えない差が生じるのではないかという不安があります。だからなるべく外に出て、同じ空気を感じるようにしています。心身のリフレッシュのためスポーツジム通いも欠かせません。
最近は後輩アナウンサーたちだけでなく、夏目三久さんからもオジサン扱いされるので、さらに強化が必要かなと(笑い)。「あさチャン!」担当になってもうすぐ丸3年。日々の生放送は瞬発力が求められる短距離走に似ていますが、続けることは長距離走だとしみじみ感じます。

番組で忘れられないことといえば、2年前の秋、気象コーナー担当だった井田寛子さんの結婚披露宴で、夏目三久さんとTBSアナウンサーの石井大裕、宇垣美里、私、そして井田さんの5人で「恋ダンス」を踊ったこと。会議室でみんなで振りを合わせ、カラオケボックスで自主トレも重ね、結婚式だけでなく、番組内でも披露させていただきました。楽しさと恥ずかしさとプレッシャーを感じながら、なりふり構わずワイワイと必死に取り組んだあの経験で、確実に一体感が深まりました。
そして最近、「あさチャン!」チームの土台がようやく固まってきたと感じています。長距離走の勝負はここから。より親しみを感じていただける番組作りを目指します。私がトチった時は、関西出身の夏目さんが豪快に突っ込んで笑い飛ばしてくれる。そんな鮮度も魅力もたっぷりの朝をお届けしたいと思います!(次週は杏さんです)

滝川クリステル/1 今夜のテーマは「健康とお金」
毎日新聞2018年2月27日~3月1日 東京朝刊
<TBS系「教えてもらう前と後」(火曜午後8時)MC>
教養バラエティー番組のMC(司会)をレギュラーで務めるのは初めてです。昨年10月にスタートした「教えてもらう前と後」。これまで携わってきた報道やドキュメンタリーとは違う伝え方や伝えられることがこの番組にはあると思うので、それを探りながらの挑戦です。取り上げる情報は本当にためになることが多く、私自身も楽しく学びながらお届けしています。
今夜放送のテーマは「健康とお金」。どちらも非常に身近で、関心のある方が多いのではないでしょうか。では、実際に老後のために必要な貯蓄額ってどれくらいか、ご存じですか? 番組は専門家をお招きし、必要な生活費や節約のヒントを具体的に金額を提示しながら紹介していきます。また、年金のお得な受け取り方や、詐欺の最新手口も。教えてもらった後は、きっと見る目が変わりますよ。視聴者の皆さんの知的好奇心に響く番組です!

知らなければ知らないで通り過ぎることも、知れば自分の中に別の価値観が生まれて、生き方や暮らし方が変わることがあります。
私が最初にテレビで見て衝撃を受けたのが、同じような年齢のアフリカの子供たちが飢餓や貧困にあえぐ姿。それを伝えるユニセフ親善大使の黒柳徹子さんに強く心を動かされました。そのことは、私が財団をつくり、犬猫の殺処分問題、野生動物の生態系を守る活動につながるきっかけになりました。
最近は仕事で深海や洞窟、空など地球のさまざまな場所を見る機会もありますが、人がいない所にも学びはたくさんあります。そうした中で痛感しているのが、学んだことを伝える難しさ。ですから、多岐にわたる活動を、ご自身が一つのメディアのようになって発信されている黒柳さんは本当にすごいなと尊敬します。私も教わる姿勢を大切に、自分らしい伝え方を見つけていきたいです。

番組でご一緒している博多華丸・大吉さんは、頭の回転が速くて知識も豊富。お二人を頼りにしながらも、面白い華丸さんについ厳しいツッコミを入れてしまう私は、いつの間にかツンデレのキャラクターです(笑い)。お二人との役割分担やテンポ感を探りながら、より良いチームを作っていきたいと思っています。
スタッフには、日ごろ私が疑問に感じたり関心を持ったりしたことを積極的に提案しています。例えば、予防医療や食品ロス、メンタルトレーナーのこと。専門家に詳しく教えていただきながら、視聴者の皆さんと一緒に考えていければ。次回6日放送のテーマは「食のマナー」。さまざまな食のシーンをゲストの皆さんとデモンストレーションしながらお届けします。この番組は食や健康、政治、宗教、絵画などテーマの幅広さも特徴。気軽にお楽しみいただける教養エンターテインメントです。(次週は小泉孝太郎さんです)

江藤愛アナウンサー/1 アーティストと視聴者をつなぐ“橋”に
毎日新聞2018年4月3~5日 東京朝刊
<TBS系「CDTV祝25周年SP」(7日午後6時55分)アシスタント>
「CDTV」の25周年スペシャルは、千葉の幕張メッセから生放送でお届けします。MCは中居正広さん。私はアシスタントを担当します。中居さんが「CDTV」の司会を務めるのは久しぶり。個人的にすごく楽しみですし、中居さんの隣で番組の進行をお手伝いできることに幸せを感じています。中居さんは、いろいろな人に対してリスペクトがあり、愛情が深い方。そういう思いを私も吸収しながら、しっかりとサポートできたらいいなと思っています。
これまで、音楽番組の時はスタジオから放送することが多かったので、幕張メッセのような大きい会場での進行は慣れていません。ちょっと不安な気持ちがありますが、その一方でたくさんのお客さんの反応を肌で感じられるかもしれないという期待感も。本番当日は、豪華なアーティストの皆さんと視聴者の方の間をうまくつなげられる“橋”になれたらいいなと思っています。

番組が25年も続くということは本当にすごいことだと思います。TBSの音楽番組では一番長いそうです。私も昔からよく見ていました。
音楽番組というと、ヒットチャートの10位から1位を紹介しているようなイメージがあったんですが、「CDTV」は短いフレーズしか聴けなくても、いろいろな曲を知ることができ、とても楽しい。今はやっている歌を教えてくれる教科書のような番組だなと。それを音楽の専門チャンネルではなくて、地上波で見られるぜいたくさを感じていました。
毎回登場するゲストアーティストのライブや「卒業ソング特集」などの季節に合わせた企画も大好き。あのCGキャラクターの声も耳になじんでいます(笑い)。今回のスペシャルでは、25年の歴史を振り返るのにふさわしい名曲がたくさん登場します。懐かしい歌を聴きながら、昔のことをいろいろ思い出す時間を過ごしてもらえたらいいなと思います。

私は普段から音楽をよく聴いています。昔からJ-POPが大好きで、ドラマや映画の主題歌、そしてCMソングなど、その時にはやっている曲を好んで聴いています。特定のアーティストを追い掛けるということがないので、音楽プレーヤーに入っている曲のジャンルはバラバラで統一性は全くありません(笑い)。
私にとって、音楽は身近なもの。落ち込んだ時や元気を出したい時、自分の気持ちにぴったりと合うような曲を何度も何度も繰り返して聴きます。家ではお風呂に入っている時に聴くことが多くて。電気を消して音楽だけを流していると、すごく落ち着くんです。あの自分だけの空間と時間はとても大切ですね。
音楽番組に携わると、毎回自分の胸に刺さるような1曲と出合えるんです。今回も、25周年をお祝いしながら皆さんと一緒にすてきなライブを楽しめたらいいなと思っています。(次週は中谷美紀さんです)

出水麻衣アナウンサー/1 丁寧に作られている番組です
毎日新聞2018年5月29~31日 東京朝刊
<TBS系「世界ふしぎ発見!」(土曜午後9時)アシスタント>
「世界ふしぎ発見!」はとても丁寧に作られている番組です。たとえば、通常のバラエティーでは前日に出演者を交えて打ち合わせをすることはほとんどありませんが、VTRを見ながら前日に行う「クエスチョン」の確認などには、司会の草野仁さんも参加されます。収録当日には、リハーサルの前に“ドライ”と呼ばれるプレリハーサルがあります。そこでは、スタッフに解答者になってもらい、本番と同じクイズを出すんです。正解者には、ミステリーハンターがロケ先で選んだお土産をプレゼントしたりしたことも。そういった制作過程は番組開始から32年あまり、ずっと変わらないそうです。
私がアシスタントを務めるようになって今年で9年目。長年続いている番組ならではのチームワークを感じると「この番組と出合えて幸せだな」と感謝の気持ちでいっぱいになります。まさに、TBSアナウンサーとしての私のライフワークですね。

番組の顔でもあるミステリーハンターとして、ロケに6回行かせていただきました。アナウンサーは原稿を読むことが多く、自分の考えを言葉にしてお伝えする仕事は貴重です。感じたことを自分の言葉で伝えていくミステリーハンターの経験は、アナウンサーとして新しいステージに立つきっかけになりました。
特に心に残っているのは、2016年11月放送のキリマンジャロのロケ。高尾山しか登ったことがなかった私が、アフリカ大陸の最高峰を登り切ることができた。この経験を通し、緊張しては失敗することが多かった私が、ちょっとしたことでは動じなくなったんです。大きな達成感を得たことが自信につながったのだと思います。また、ミステリーハンターとしてロケに参加したことで、番組作りのこだわりに触れることができました。スタッフやミステリーハンターの皆さんへの尊敬の念が強まりましたね。

この番組の魅力は、最新の技術を駆使し、今まで見えなかった地球の成り立ちや世界の歴史にどんどんスポットライトを当てていくところ。新しい知識が得られるので、私自身、毎回とてもワクワクしています。
6月2日放送のニュージーランドも驚きがいっぱいです。衛星写真でニュージーランド周辺を見ると、海底に巨大な影が見えるのですが、それはなんと、消えた第七の大陸、ジーランディアだと言われています。番組では、日本の地球深部探査船「ちきゅう」の活躍も紹介しながら、幻の大陸の謎に迫ります。また、奇岩地帯や地球の動きを実感できる驚きの絶景を、ミステリーハンターの白石みきさんがたっぷりリポートしてくださいます。珍しいペンギンの群れに出合って感激したという白石さん。世界有数の地熱活動で知られるロトルアでは、温泉に入って旅の疲れを癒やしたそうですよ。(次週は川田裕美さんです)

笹川友里アナウンサー/1 お店の方との会話が増えました
毎日新聞2018年7月31日~8/2 東京朝刊
<TBS系「人生最高レストラン」(土曜午後11時半)MC>
番組が始まって1年半がたちました。最初に「人生で最高においしかったもののお話をする番組です」と企画を聞いた時、「番組コンセプトが分かりやすいタイトルで、すごく面白そう!」と思いました。何かを食べながら、その食べ物の話をする番組は今までもたくさんありましたが、トークだけで食べ物の話を展開させていくという切り口が斬新だなと感じたことを覚えています。私も食べることがとても好きなので、番組のMCをやらせていただくことになり、すごくうれしかったですね。
番組では、ゲストと料理を作る方のエピソードに触れることがあります。そうした話を聞くまでは私、注文した料理が出てくることを当たり前だと思っていた節があったんです。でも、料理を作る方がどんな顔をして作っているか見るようになり、考え方が変わってきました。個人的にレストランに出かけた時など、お店の方との会話も増えた気がします。

やっていて思うのは、食べ物の話をしているとその人らしさが出てくるんだなということ。普段は落ち着いた雰囲気の方も好きな食べ物の話をする時には顔がほころんだりするんです。土曜の夜の放送ということもあり、ゲストの方にはできるだけリラックスした雰囲気の中でお話ししていただきたいと思っています。
徳井(義実)さんはとてもフラットで聞き役に徹することのできる方。週替わりの“常連客”にも、いろいろな視点をお持ちの方がそろっていて、そのバランスも番組の色を出していると思っています。なので、この番組は、ゲストの方を中心にその場で盛り上がった会話を楽しく展開していこうという方針。アナウンサーという職業柄、私はどうしても「進行しなくちゃ」と思うことがありますが、その気持ちはなるべく抑えて、リラックスしながらトークを楽しむよう心がけています。とても居心地のいい空間なんです。

この番組は通常、食べ物の話を通し、ゲストの人生をひもといていく番組です。でも時々、街や料理にスポットを当てた企画もあり、4日は「かき氷」をテーマにした放送です。
ゲストはスイーツ好きで知られるプロレスラーの真壁刀義さんとAKB48で一番のかき氷好き、柏木由紀さん。お二人の意外な面をたくさん感じられます。柏木さんは1日に4軒もお店をはしごして、かき氷を食べることがあるそうなんです。きゃしゃな方なのに、おなかが強いんだなとか、体力があるんだなって。同時に、好きなものに対する熱量というか、あふれる愛情をお持ちなんだという意外性を感じました。また、この回の“常連客”は勝俣州和さんと若槻千夏さん。夏やかき氷のイメージにぴったりでパワフルなお二人です。スタッフはテーマやゲストに合わせ、常連客を考えています。今回も楽しんでいただけると思います。(次週は稲森いずみさんです)

国山ハセン・アナウンサー/1 リポーターからキャスターへ
毎日新聞2018年8月21~23日 東京朝刊
<TBS系報道番組「Nスタ」(月~金曜午後3時49分)キャスター>
メディアができる社会貢献の可能性の大きさを信じて、アナウンサーを志望しました。各局のアナウンスセミナーに参加し、TBSにはアットホームな印象を受けたことを今も覚えています。そのTBSで1年目に配属されたのが、報道番組「Nスタ」です。
担当は週2日で、中継やロケ取材が中心。プレッシャーよりも、どうしたら面白く伝えられるかを考えてワクワクしていた新人時代。フリップをめくり忘れたこともありますが、失敗も笑いに変える超ポジティブ思考とチャレンジ精神で、自分で言うのもなんですが、結構成果を上げたと思います(笑い)。当時キャスターだった堀尾正明さんに言われた「何もない時の中継がうまいね」は新人の私の大きな励みになりました。
そして、昨年春のリニューアルに伴い、「Nスタ」にキャスターとして戻ってきました。毎日が試行錯誤。悩めるアナウンサー6年目です!

昨年春、「Nスタ」が新体制でスタートし、番組全体としても、個人としても、試行錯誤が続いています。自分自身、スタート時よりもむしろ2年目に入った今、リニューアルの難しさを痛感しています。チームとしてまとまりが出てきた分、一人一人の役割や個性が一層求められているからだと思います。
この番組には独特のライブ感があります。出演者同士の「こんなふうにしよう」という事前の打ち合わせはほとんどなく、それぞれのパートの仕事を生放送で合わせていくスタイルです。そういう中でみんなの意識がまとまってきたのは大きな強み。井上貴博キャスターとホラン千秋キャスターが番組全体の進行を担う一方で、私の役割は現場やスタジオでアグレッシブに情報を伝えていくこと。貴重な現場取材のチャンスをもらえていることに感謝し、自分らしい視点や伝え方を、もっともっと追求していきたいです。

月曜から木曜は「Nスタ」。日曜は「アッコにおまかせ!」と「SUPER SOCCER」。担当番組はすべて生放送です。収録の仕事も好きですが、今起きている現象を伝え、何が起こるかわからない生放送のワクワク感は、やはり大きな魅力。タレントさんとご一緒するバラエティーも刺激的で勉強になります。
仕事を離れてのリフレッシュ方法は、友人と食事したり、運動したり、語学などの習い事をしたり……。疲れているのに、家でグダーッとできないのが悩みでもあります(笑い)。そして、彼女を作って20代で結婚するのが目標です!
各局が一斉にニュースを扱う夕方。その中で「Nスタ」を選んでもらうには、まず信頼される報道番組であること。一朝一夕にはいかない信頼を築いていくためにも、さまざまな経験を積んで、アナウンサーとして、人として幅を広げたいです。(次週は石井大裕アナウンサーです)

石井大裕アナウンサー/1 スポーツの力を“感じて”ほしい
毎日新聞2018年8月28~30日 東京朝刊
<TBS系「あさチャン!」(月~金曜午前5時25分)スポーツ担当>
情報番組「あさチャン!」も5年目。当初はトータルで10分程度だったスポーツコーナーが、今は30分前後に拡大。これはどの局のどの情報番組にも負けない量です。もちろん質にもこだわり、海外ロケにも積極的に出ています。というのも、この間に海外で活躍する日本人選手が急増。スポーツ界もグローバル化が進み、今やライバルは海外の選手です。
そんな熱いスポーツの現場は、知れば知るほど言葉だけでは伝えきれないというのが正直な感想です。スポーツが持つ力を少しでも“感じて”いただきたい。だから、外国人選手のインタビューも吹き替えをやめ、本人の声に字幕スーパーを載せ、お届けしています。個人的な思いとしてはスポーツコーナーを見て筋肉痛になっていただきたい! この記事が載る頃、私は「アジア大会2018ジャカルタ」を現地から放送しています。「あさチャン!」と共にゴールデンタイムの生中継もぜひ!

「日本のリレーは脅威だ」。陸上短距離王国ジャマイカの選手が言います。あのボルト選手も「次のオリンピックの金メダル最有力候補は日本だ」と引退後に語っていました。「桐生選手の走りや山県選手のスタートは相当ヤバイぞ」と言っていたのはアメリカのガトリン選手。いずれも日本チームの練習の仕方や、アンダーハンドパスなどの細かい技術を見てきた感想です。日本の男子短距離が注目される一方で、「アジアの雄は自分たちだ」と言わんばかりに中国の勢いもすごい。アジアタイ記録を持つ強敵もいて、両国のリレー対決が非常に面白くなっています。
TBSは今夜、「アジア大会2018ジャカルタ」で4×100メートルと4×400メートルリレーの予選、明日は決勝を放送。アジアを制したチームが2020年の東京オリンピックでメダルをつかむと言われています。史上最高レベルで臨む日本チームの走りに、一緒に震えましょう!

自分がこれだけは誇れるもの。それは本気でオリンピックに出たかった気持ちです。11歳の時にウィンブルドンで活躍する松岡修造さんの姿をテレビで見たのがきっかけです。でも、その夢がかなわなくなった時、修造さんに言われたのが「次の夢を全力で応援するよ」。当時20歳。テニスはやめたけれど、スポーツで子供たちと一緒に夢を見ていきたい。それが私の“次の夢”となり、アナウンサーの仕事につながりました。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックには、世界中からスーパースターが集まってきます。その選手情報を今からたっぷり伝えていきたい。さらに、コンピューターゲーム競技のeスポーツなどにも着目。「あさチャン!」スポーツコーナーは、24年、28年のオリンピックまで視野に入れ、大人はもちろん、子供たちの夢につながればという思いで日々お届けしています。(次週は内藤剛志さんです)

杉山真也アナウンサー 挑戦者の生きざまを見てほしい
毎日新聞2018年12月25日 東京朝刊
<TBS系「SASUKE2018」(31日午後6時)実況>
「SASUKE」のキャッチフレーズは“名もなきアスリートたちのオリンピック”。さまざまな職業の100人が趣向を凝らしたエリアに挑みます。今回は初の大みそかの放送で、ファイナルステージは横浜の赤レンガ倉庫から生放送します。
「心技体がそろわなければ完全制覇は難しい」。史上4人目の完全制覇者、森本裕介さんの言葉ですが、まさにその奥深さがこの番組の魅力でしょう。いつも切り込み隊長っぷりがカッコイイ日置将士さんは今回、どんな活躍を見せてくれるのか。単にスポーツの枠にとどまらない、極限の人間ドラマにご注目です。
私は普段、アナウンサーとして客観的な実況を心掛けています。でも、この番組は完全に主観込み(笑い)。というか自分も出場者の一人のつもりです。私も闘っています。応援しています。大みそか、「SASUKE」に全てをささげてきた者たちの、その生きざまをご覧ください!

夏目三久/1 慣れてきた自分に活!
毎日新聞2019年5月6~9日 東京朝刊
<TBS系情報番組「あさチャン!」(月~金曜午前5時25分)MC>
「あさチャン!」は放送6年目。4月から月曜レギュラーに長嶋一茂さんが加わり、慣れてきてしまっている自分に活を入れていただいた気分です。私はいつも時間と進行に追われてしまいがちでしたが、一茂さんは視聴者の方々と同じ目線に立ち、段取りではなく、その場で起きる出演者同士の会話を大切にされる方だなと思いました。報道、情報、バラエティーとジャンルは違えど、変わらないテレビの本質を改めて一茂さんに教えていただいている気がします。情報をきちんとお伝えしながら、余白部分をどれだけ大切にしているかが、番組の個性や魅力につながっていくのだと思っています。
最近、全局の番組を24時間録画できる全録レコーダーを購入しました。別の番組で、以前はやりのギャグを知らず、流れについていけないことがあったので、見逃した番組はこれでチェックして、最新ギャグなども仕入れなきゃなと思っています。

平日は夜中の2時に起きて、午前5時25分にはカメラの前に立っています。毎日、同じ時間に同じ場所に立つということは、その日の体調だけでなく、前日の生活全てが画面に映ると思っています。なので、寝不足だったり、食べ過ぎたりすると顔に出てしまうので気を付けています。恐ろしい現実ですが、私は、もしも仕事がなければダラダラと一日を過ごしてしまうタイプなので、生活にメリハリがついて良い刺激になっています。
月曜日から金曜日は「あさチャン!」、日曜日は別の生放送の仕事があるので、私が心からくつろげるのは、翌日を気にしなくてもいい金曜日の夜ぐらいなんです。普段は怖くて手が出せない好きなものを思いきり食べて過ごしています。例えば、デリバリーのピザ、コーラ、ポテトチップスなどを食べながら、テレビを思う存分見て、夜更かし。それが1週間のご褒美です。

大学在学中に、語学の先生から「日本語力と外国語力は比例する。だから、まずは美しく、正しい日本語を習得しなさい」と教わり、ハッとしました。その後、日本文化のゼミに入り、改めて日本について学んだことが、アナウンサーを志すきっかけになりました。この仕事を続ければ続けるほど、伝えることの楽しさや難しさを感じています。
昨年、体を動かしたいと思い、バレエを始めました。子供の頃以来なので、体は動きませんが、先生と「いつか発表会ができたらいいね」と夢のような話をしながら、週に1度のリフレッシュになっています。
数ある情報番組の中から「あさチャン!」を選んでいただくには、まずは信頼される番組になること。そして、私たちのお届けする情報が家庭や職場での会話のきっかけになればいいなと思っています。一日一日誠実にお伝えしていきます。(次週はホラン千秋さんです)

ホラン千秋/1 チームワークと明るさが持ち味
毎日新聞2019年5月14~16日 東京朝刊
<TBS系報道番組「Nスタ」(月~金曜午後3時49分)MC>
「Nスタ」のキャスターを務めて3年目に入りました。毎日本当にいろいろなことが起きて、放送中にもニュースはどんどん飛び込んできます。私自身、難しさもやりがいも感じていますが、手元に原稿がない突発事態でも、自分の知識やスキルを使って伝え続ける局アナウンサーの皆さんは、本当にすごいです。日ごろの積み重ねの大切さを感じます。
扱うニュースは、時事問題をはじめ、生活情報やグルメ、トレンドなど多岐にわたります。約3時間の放送でさまざまな角度から興味を持っていただけたらと、スタジオでも活発に意見を交わしていますが、時に収拾がつかなくなってしまうことも(笑い)。みんなですぐにワイワイと盛り上がるチーム感や明るさは、この番組ならではでないでしょうか。
全てのテレビ局がニュースを放送している夕方。その中から「Nスタ」を選んで見ていただけるように、しっかりお届けしていきます。

「キャスターがみんな若いね」とよく言われます。井上貴博、国山ハセン両キャスターも私も30歳前後なので、恐らく見てくださっている大半の方が人生の先輩ですね。だからこそ、正確さや分かりやすさはもちろん、「今はこんな見方もあるのか」と思っていただけるような視点を忘れたくないと思います。
そんな中で、お天気キャスターの森田正光さんは大ベテランの大御所。でも遊び心があって、私たち若手が何を言っても全部受け入れて、そこにご自分の知識や知恵を乗せて話を広げてくださる。その柔軟性と対応力に頭が下がります。ただ、いまだに合成映像のグリーンバックは苦手なようで、いつの間にか画面から消えていることも……。おちゃめなところも魅力です! いろいろな意味で見応えあるお天気コーナー。皆さんに親しみを感じていただきながら、少しでも生活の役に立ち、災害の備えにつながればと思います。

30歳はもっと大人かと思っていましたが、いざ自分がなってみると、大学を卒業した頃と何も変わってない気もします(笑い)。幸せなことに20代は仕事に突っ走り、好きなことを好きなだけやってきました。でも実は変化が苦手で、弱気になることもしばしば。30代は自分に起きる変化をでーんと構えて楽しめる、そんな余裕ある大人になりたいです!
「Nスタ」で現実の出来事をお伝えする毎日ですが、家での楽しみの一つが国内外のドラマを見ること。日曜劇場「集団左遷!!」では、主人公の「仕事が目の前にあったら頑張っちゃうんです」のセリフに思わず共感。時には初心に帰ったり、また時にはキュンキュンしたり。フィクションの世界からパワーをもらっています。雑念で眠れない夜は、無心になるためにニンジンをひたすら千切り。大好きなドラマとお料理が私のリセット法です。(次週はEXILEのNAOTOさんらです)

小川彩佳/1 現場経験を積み重ねたい
毎日新聞2019年6月4~6日 東京朝刊
<TBS系報道番組「NEWS23」(月~木曜午後11時、金曜午後11時半)メインキャスター>
6歳から8歳までアメリカのミシガン州で暮らしました。学校にはさまざまな国の子供が通っていて、親友はロシア人の女の子。そういう中で新しいことを知ったり、人に伝えたりして、自分の世界が広がっていく喜びを強く感じた幼少期でした。その原体験からか、小学校の卒業アルバムに書いた夢は「ニュースを読むアナウンサーになりたい」。
「NEWS23」のキャスターという機会をいただいた今回、どんどん現場取材に出たいと思います。現場で教わる一つ一つは、とても大きな財産になります。私はまだ経験が乏しいと感じているので、この番組の中で積み重ねていけたら。自分の目で見て、感じて、自分の頭で考える。そうして言葉にした時に初めて「この人が語ることなら耳を傾けよう」と人は思うもの。少しずつでも信頼していただけるキャスターになっていかなければと思っています。すでに取材はいくつか進めています。

映画と音楽が大好きです。「NEWS23」は私にとってチャレンジですが、新海誠監督作品とサカナクションさんのコラボレーション映像を見ながら毎日始められることがとてもうれしいですし、心が整います。
少しでも時間があれば、映画をよく見ています。DVDを1本見てから出社したり、週1で名画座に通ったりもしていました。ジャンルは問いませんが、リフレッシュしたい時に見るのは、小学生の頃から大ファンのボンド映画。報道の仕事とは違い、プライベートではフィクションの世界にどっぷり浸っています。
そう言えば子供の頃も、お姫様ごっこや戦隊ヒーローごっこなど、何者かになりきって空想して遊ぶのが好きでした。レンジャーものをやるなら私はイエロー。ヒロイン的なピンクやリーダーのレッドではなく、ちょっとボーッとしていて食いしん坊なキャラクターに、ついシンパシーを感じてしまうんです(笑い)。

先入観や定型というものが今、どんどん通用しなくなっているように感じます。例えば、東日本大震災と原発事故、2016年のアメリカ大統領選。想定してもしきれなかったことや、結果的に分析ができていなかったものです。蓄積された知識や経験では測れないもの、そこから抜け落ちてしまっているものも忘れずに、謙虚な姿勢で向き合っていきたいです。
また、私自身もそうですが、インターネットで世界が広がったにもかかわらず、自分の価値観に沿う記事だけを読み、そこを安住の地としがちです。でも、外にはもっと視野や可能性を広げてくれる何かがあるかもしれません。そういう可能性を広げる種を、この番組でたくさん植えて育てていけたら。ツイッターなどを利用したインタラクティブな仕掛けも考えています。そんな“思考の交差点”のような場になればいいなと思います。(次週は杏さんです)

山形純菜TBSアナウンサー/1 プライベートでもマイクを…
毎日新聞2019年8月6~8日 東京朝刊
<TBS系「東京VICTORY」(土曜午前7時)アシスタント>
アナウンサーを目指したきっかけの一つが東日本大震災です。当時、私は岩手県の高校1年生。ラジオから聞こえるアナウンサーの声に励まされたように、私も頑張っている人や弱い立場にいる人に寄り添えるアナウンサーになりたい。きっかけと同時に目標でもあります。
「東京VICTORY」は来年の東京オリンピック・パラリンピックを目指すアスリートをゲストに招くトーク番組です。頑張っている姿に、私も心から応援したくなります。毎回、ゲストにはVICTORYアイテムを伺いますが、私のVICTORYアイテムはもちろんマイク! と言っても一人カラオケですが(笑い)。それから暑さに負けないためのビールとキュウリの一本漬け。「意外だな」と思っていただけるかどうかは分かりませんが、土曜の朝はアスリートたちの意外な素顔に、安住紳一郎アナウンサーがグググッと迫りますので、ぜひご覧ください。

私のTBS入社は2017年で、安住紳一郎アナウンサーはちょうど20年先輩。「東京VICTORY」で一緒に仕事ができることを、私以上に両親が喜んでいます。
安住アナウンサーからはいろいろ指導を受けていて、例えばフリップの出し方はミリ単位。私の席からゲストにもカメラにも見えやすい位置や角度を見極め、お手本を見せてくれます。出すタイミングのこだわりはもちろんコンマ1秒。初収録の前、私が控室で1人、フリップ出しの練習をしたことは言うまでもありません(笑い)。驚いたのは、台本に書き込んであるメモの量です。選手や競技に関する下調べがすごくて、それが収録ではしっかり頭にも入っています。準備を万全にして、本番でベストを尽くす。まるでアスリートのようです。この番組では選手やレジェンドゲストのお話だけでなく、先輩アナウンサーからも刺激をたくさん受けています。

さまざまな競技のトップアスリートをゲストにお招きしていますが、子供の頃は決して強くなかったという選手が少なくありません。空手の植草歩選手や柔道の大野将平選手もそう。では、どうやって強くなったのか? そんな話にスタジオ観覧のキッズが目を輝かせます。テレビをご覧になっている親御さんも、希望を感じたり、夢を持たれたりするのではないでしょうか。
次回10日の放送は女子柔道界期待の19歳、阿部詩(うた)選手。覚え始めたメークに興味津々の普通の女の子ですが、柔道に関してボソッと漏らした「怪物になりたい」という言葉に、秘めた熱い思いを感じました。そんな阿部選手のVICTORYアイテムは、バナナ柄の靴下。レジェンドゲストは野村忠宏さんです。
土曜の朝、スポーツ番組とはひと味違う角度から、選手の人生と競技の魅力をお届けしています。(次週は宇賀神メグさんです)

宇賀神メグアナウンサー/1 個性を生かした番組進行が目標
毎日新聞2019年8月12~15日 東京朝刊
<TBS系「人生最高レストラン」(土曜午後11時半)MC>
今年2月から「人生最高レストラン」のMC(司会)をチュートリアルの徳井義実さんと一緒に担当させていただいています。初めて迎えたゲストはデーブ・スペクターさんとベリッシモ・フランチェスコさんでしたが、デーブさんの暴走があり……、私はただ笑って見ていることしかできませんでした(笑い)。それから半年がたち、さまざまなゲストをお迎えする中で、会話の“間”を大切に考えることができるようになってきたかなという実感はあります。
徳井さんや常連客(レギュラー陣)、ゲストの皆さんは頭の回転が速い方ばかり。気の利いたコメントがパッと出てくる話術はとても勉強になります。その中で私は、出過ぎず、でも自分の個性をうまく交えながら番組を進行できるスタンスを確立していけたらいいなと思っています。ゲストに「この番組に来て良かった」と思っていただける進行ができるようになることが理想です。

私自身、食べることが大好きで、おいしいものを食べるために生きている、そのために仕事も頑張れると言っても過言ではありません。たとえば、友達と旅行に行く時も、旅先での食事で後悔をしたくないので、下調べをしっかりします。そういう私の様子を見た周りの人たちからは「食べ物に対する執着がすごいね」と言われたりもしますね(笑い)。
でも、「人生最高レストラン」にいらっしゃるゲストが食べ物について語っている時の表情も、皆さんとてもイキイキとされているんですよね。食べ物にまつわる記憶は、その人の人生に直結していることが多いんだなと思うんです。食事の記憶をたどりながら人生を振り返る。それは「人生最高レストラン」ならではの見どころであり魅力です。17日放送回のゲスト、的場浩司さんは、見た目は硬派ですが、スイーツの話をされている時はずっと目尻が下がってニコニコの笑顔でした(笑い)。

私の「人生最高レストラン」への出演は第97回からです。100回記念放送に向かってゲストがどんどん豪華になり、第99回でナインティナインの岡村隆史さん、第100回では志村けんさんをお迎えしました。バラエティー番組の経験がなかった私にとって、ハードルの高いゲストばかりだったので、とても緊張したことを覚えています。でも、そのおかげで精神的に鍛えられました。
今後、ゲストとして番組に来ていただきたい方ですか? 番組開始直後に同じ質問を受けた時、エアロスミスのスティーブン・タイラーさんと答えたら、徳井さんに驚かれました(笑い)。日本の方でしたら、マキシマム ザ ホルモンのマキシマムザ亮君さん。ラーメンがお好きな方なんですが、体調を考慮して少し控えていらっしゃるとお聞きして。今、どんなものをどんな思いで食べているのかを聞いてみたいですね。(次週は渡辺麻友さんです)

小林広輝アナウンサー/1 実力不足で勉強の日々
毎日新聞2019年11月12~14日 東京朝刊
<TBS系報道番組「Nスタ」(月~金曜午後3時49分)ニュースプレゼンター>
先輩方が作り上げてきたニュース番組「Nスタ」にレギュラー出演するようになって、1カ月ちょっとたちました。尊敬する先輩の国山ハセンさんの代わりとして入って頑張っています。アナウンサーになる前から家族で見ていた番組でもあったので、ものすごくプレッシャーを感じていました。最近はようやく、いろいろなものが分かってきて、少し慣れ始めたところ。でも、まだまだ実力不足ですし、もっと勉強しなければいけないなと思っています。
番組冒頭のブーナ(TBSのマスコットキャラクター)とのやりとりは、持ち時間が約1分。毎回、気象予報士の森田正光さんと天気の話をしていますが、ただ楽しく会話をするだけではなくて、視聴者の方々が知りたいと思っている情報をしっかりと伝えることが大事だなと思います。堅苦しくなりすぎないように、軟らかいネタも盛り込んでいく。そのさじ加減がとても難しいです。

僕の担当は月曜から木曜まで。取材が入っていない日は、本番が始まるまで大体同じことをやります。まず、出社するまでに毎日新聞をはじめとする各紙に目を通し、ニュースやIT系の情報もアプリで入手。通勤途中はTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」を聴いています。ニュース番組をやっているので、知らないものがあると不安な気持ちになってしまうんです。ある程度情報を入れておくと自信が出ますし、自然と気持ちも高まっていきますね。
会社に着いたら発声と滑舌をよくする練習。歌舞伎で有名な「外郎売(ういろううり)」や独自に作った早口言葉で訓練します。それと、最近は落語や講談に興味があって。特に神田松之丞さんが好きなので「巌流島の戦い」という話を書き起こし、まねしながら読んだりもしています。これが毎日のルーティン。他に英語や政治経済、アナウンサーとして大切な言葉の勉強もしています。

番組の大黒柱の井上貴博さんとホラン千秋さんからは学ぶことがとても多いです。入社2年目の僕が、お二人から何かを“盗む”と言っていいのか分からないですが、視聴者の方々に対し、ちゃんと自分の言葉で伝えているところはすごいと思いますし、見習わなければいけないなと。毎回、井上さんがプレゼン(説明)している時はカメラの後ろに立ってメモを取りながら、いろいろなことを吸収しようとしています。
生放送は時間に限りがあるので、ニュース原稿に書かれている以外の文言や情報を入れたりすることは至難の業。見ている人たちが何を欲しているかを瞬時に判断することが求められますし、スタッフとの信頼関係ができていないと本当に難しい。
それが自然とできている先輩方は尊敬できますし、僕も誰からも信頼されるアナウンサーに早くなれるよう頑張りたいなと思っています。(次週は武井壮さんです)

山本恵里伽アナウンサー/1 視聴者目線で若者の声を代弁
毎日新聞2020年1月28~30日 東京朝刊
<TBS系「NEWS23」(月~木曜午後11時・金曜午後11時半)サブキャスター>
昨年6月に番組がリニューアルされて半年以上たちました。小川彩佳さんがメインキャスター、星浩さんがアンカー、そして私はサブキャスターとして出演しています。最初の頃は不安が大きかったですが、今は少しだけ余裕が出てきたのかなと。
私の役割は、小川さんと星さんのサポート。より視聴者に近い目線で、若い世代としての意見や考えをしっかりと持つことが大切なのかなと感じています。番組の中で自分が何を頑張ればいいのか、何を求められているのか。まだまだ未熟ですが、以前よりは自分のやるべきことが分かってきたような気がします。
小川さんと私の女性2人が進行を務め、星さんがそれぞれのニュースを解説する。今までの「NEWS23」にはなかったこの形はとても新鮮。ニュース番組はどうしても堅い印象を持たれがちですが、それぞれの人間味が出るような温かさもお届けできたらいいなと思っています。

番組がある日は午後に出社して、取り上げる予定のニュースに関する記事を読んだり、打ち合わせをしたり。本番までのルーティンは、そんなに特別なことはしていません。
ナレーションなどの収録の時に使う防音ブースに入り、発声や滑舌の練習をするぐらい。これは、運動をする前のウオーミングアップみたいなもの。喉を開かせるために必要な準備なんです。この段階ではまだ気持ちのスイッチを入れず、オフのまま。メークをして衣装に着替えたらようやくオンの状態になります。
本番が終わった後は反省会や細かい作業が残っているので、帰宅は深夜。生放送の高揚感が残っているから、なかなか眠ることができません。日課の長風呂が私のリラックスタイム。いつもラジオを聴きながらのんびり入っています。芸人さんの番組が好きで、何も考えずにひたすら笑いながら楽しむことがいい気分転換に。私にとっては大切な時間です。

夜の11時台は、各局でニュースや経済番組を放送しています。それぞれ特徴はありますが、「NEWS23」の根底にあるのは“報道魂”。いい意味でかたくなに視聴者に知ってほしいニュースをそんたくなく伝えることを大事にしています。
番組でご一緒しながら、小川彩佳さんからは内面からにじみ出るような胸に響く伝え方、星浩さんからはニュースの背景に潜むさまざまな知識を日々勉強中。自分の至らなさを痛感することが多いので、お二人のそばで学びながら何ができるかを模索しているところです。今後の目標としては、5年後も10年後も報道を基盤に頑張っていきたい。今はあまり外に出る機会がないですが、もっと現場に行って私にしか伝えられないものを見つけられたらいいなと。自分の目で見たものや聞いたこと、感じたことを言葉にできるアナウンサーになりたいなと思っています。(次週は西尾由佳理さんです)

水野真裕美アナウンサー/1 小さな歯車でも責任重大
毎日新聞2020年2月25~27日 東京朝刊
<TBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)サブキャスター>
小さい頃からずっとアナウンサーになりたいと思っていました。物語を声に出して読むのが好きで、幼稚園の「帰りの会」で、覚えたお話をみんなに聞かせていたことを覚えています。
「サンデーモーニング」のサブキャスターになったのは、TBS入社6年目。歴史ある番組なので不安もありましたが、とてもうれしかったです。プロデューサーから最初に聞かれたのが「工作は好きですか?」。張り切って「はい」と答えた私は、以来、番組名物の一つ「手作りフリップ」コーナーを2、3週に1度ぐらいの割合で担当しています。
私自身は番組の小さな歯車ですが、きちんと動かなければ全体に迷惑がかかってしまう。そんなプレッシャーや緊張感などの中、臨む気持ちは8年たった今も全く変わっていません。番組を見てくださる方に誠実にしっかり情報を届けられるよう常に心掛けています。

一つのニュースを掘り下げて解説する「手作りフリップ」コーナー。あの立体フリップは担当キャスターとディレクター、アシスタントディレクターら5~6人で製作し、文字や絵はキャスターが自分で書いています。専門の美術スタッフなどは入らず、本当に手作りなんです。金曜日から作り始めて、土曜日に司会の関口宏さんやスタッフの前でプレゼンを行い、修正とリハーサルを何度も重ねて日曜日の本番を迎えます。
ニュースは読むものではなく伝えるもの。これは新人アナウンサーがまず教わることですが、私はその意味が「手作りフリップ」を通して改めて分かった気がします。一つのニュースをゼロからフリップにする過程で、どうしたら分かりやすくなるか工夫を重ね、自分自身も理解を深めていく。そうして初めて「伝える」ことができるのだなと。時間のかかる作業ですが、“手作り”ならではの大切な学びがそこにはあります。

大切なのはチームワーク。司会の関口宏さんがよくおっしゃることです。放送は日曜朝の2時間ですが、金曜日からの3日間、関口さんもサブキャスターもスタッフと一緒に何度も打ち合わせを重ねて、内容を詰めていきます。視聴者が知りたいことは何かということを大切にしながら、鋭い意見が毎回出されます。
私たちサブキャスターとスタッフがこれほど多くの時間を一緒に過ごしながら作られる番組は、他にないかもしれません。その信頼関係が毎週の放送につながっているのだなと感じます。部活のようなものもいくつかあって、私はスキー・スノーボード部。ケガだけには気をつけるようにしています(笑い)。
アナウンサーとして今後も新しいことにどんどん挑戦していきたいと思うと同時に、「サンデーモーニング」をこの先もずっと自分のベースにし続けたいと思っています。(次週は中野晶さんです)

上村彩子アナウンサー/1 現場主義で生放送に臨んでいます
毎日新聞2020年3月3~5日 東京朝刊
<TBS系「S☆1」(土曜深夜0時半、日曜深夜0時)キャスター>
「S☆1」のキャスターを務めて、まもなく3年。私は体を動かすことが好きで、小中学校時代はバスケットボール、高校時代は陸上部でハードルをやっていました。この番組に関わって、改めて思うのは、スポーツは筋書きがないからこそ、醍醐味(だいごみ)があるということです。狙っていた映像が撮れないことや活躍してほしい選手の成績がふるわない時もあります。だからこそ、「百聞は一見にしかず」の精神で、実際に現場に行って、取材を重ねることが大事だと痛感しています。
ですから、「S☆1」のモットーは“現場主義”。放送が毎週土日の深夜なので、週末の競技は間に合う限りギリギリまで追いかけます。先週土曜は、バレーボールVリーグを高崎アリーナで取材し、午後9時に東京駅着の新幹線で戻って生放送に臨みました。これからも、注目の選手をどんどん取材して、皆さんに紹介していきたいと思っています。

これまでで特に印象に残っている取材は、昨年6月に八村塁選手を追って、ニューヨークで開かれた米プロバスケットボールNBAのドラフト会議に行ったことです。バスケの本場アメリカで、スター候補生が集まる中、八村選手が日本人初の1巡目指名を受けた現場を目の当たりにできたのは、とても貴重な経験でした。ドラフト翌日は、八村選手を指名したウィザーズの本拠地ワシントンを取材。地元ファンの歓迎ぶりなど、中継映像ではうかがい知れない側面を体感できました。現場主義の「S☆1」だからこそ、肌で感じた多くの情報を伝えることができ、良かったと思っています。
また最近、ゴールボールの取材に行き、パラスポーツの熱さを実感してきました。なかなかお伝えする機会が少ないパラスポーツですが、皆さんにより知っていただくためにはどうしたらいいのか、取材を通して考えるきっかけにつながりました。

「S☆1」ファミリーとして、昨年6月から毎週、一緒に試合を観戦させていただいていた野村克也さんが先月、お亡くなりになりました。野村さんの「『失敗』と書いて『せいちょう』と読む」という言葉は有名ですが、「根拠のある失敗じゃないと意味がない」という姿勢を、とても大事にされていたことを思い出します。元々、失敗は次の機会に生かそうという思いで仕事をしていましたが、そもそもどうして失敗してしまったのか、野村さんとお話しさせていただいたことで、より深く考えるようになりました。
今年は東京オリンピックが開催される年。日ごろの取材を通し、自国開催の今大会を、選手たちがどれだけ特別なものとして捉えているかを感じてきました。自分が五輪報道にどのような関わり方をするとしても、その熱をしっかりとお伝えできるよう頑張りたいと思います!(次週は江藤愛アナウンサーです)

江藤愛アナウンサー/1 人見知り克服でアナウンサーに
毎日新聞2020年3月10~12日 東京朝刊
<TBS系情報番組「ひるおび!」(月~金曜午前10時25分)MC(司会)>
子供の頃から人見知りで、活発な姉とは対照的に人前でしゃべるのが大の苦手。そんな自分がすごく嫌でした。中学生の時にバラエティー番組を見て衝撃的だったのが、木佐彩子さんがウミガメのマネをして、みんなに笑われている姿です。でもすごく楽しそう。ああ、この人は笑われているんじゃなくて笑わせているんだ。すてきだな。自分もそういう存在になりたいなと、同じアナウンサーを目指しました。はなはだ個人的な志望動機ですが……。
アナウンサーになって人見知りがすぐに直るわけもなく、失敗して叱られて、しゃべるのが怖くなった時期もあります。落ち込むたびにたくさんの方の優しい言葉に救われました。今は全部いい思い出。6年前から情報番組「ひるおび!」に出演しています。私がアナウンサーになったのと同じ2009年にスタートしたこの番組。スタジオに入ると、いつも不思議と落ち着くんです。

情報番組に欠かせない説明用のフリップ。通常はスタッフがまとめて持っていますが、「ひるおび!」は床にも20枚ぐらい広げて置いてあります。同じ司会の恵俊彰さんやコメンテーターの方々の話がどう広がっていくか分からないので、私はそれらの中から「今だ!」「これだ!」という1枚を探し出して掲げます(笑い)。そうかと思えばフリップが1枚もない状態で番組が始まることも。ギリギリまで最新情報を盛り込み、走って持ってきたスタッフに手渡されてすぐに説明を始めます。
そんな舞台裏を明かすと、心配されてしまうかもしれませんね。それでも私が落ち着いていられるのは、信頼しているチームだから。放送は3時間ですが、打ち合わせや反省会を含めると出演者とスタッフは毎日7時間も一緒。恵さんを中心にして、本当にみんなで作っている番組です。だから私はそこにいると家族みたいに安心できます。

家計簿を付けたり、同じブログを10年続けたり、スーパーでブロッコリーの値段をチェックしてみたり。そういう一つ一つが楽しくて、趣味を見つけられないくらい、毎日に向き合うことが私の趣味です。手書きの日記も入社以来続けています。反省点をしっかり書き留めつつ、良かったことは目立つように赤ペンで。例えば「ひるおび!」で同じ司会の恵俊彰さんに言われた「スタジオに江藤がいると安心する」はとても励みになっている言葉です。野村克也監督の「夢は持て。欲は持つな」も深いなあと赤で書きました。時々見返して自分に気合を入れています。
普段あまり変化を求めない私ですが、変化も楽しめるようになったら人としての深みが少しは出るかなと、今月から投稿サイト「note」でのブログとツイッターを始めました。自分の熱い思いも発信していけたらと思っています。(次週は山里亮太さんです)

膳場貴子/1 経験豊富なスタッフが集結
毎日新聞2020年4月21~23日 東京朝刊
<TBS系「報道特集」(土曜午後5時半)キャスター>
早いもので、私がキャスターとして番組に携わるようになって、今年で5年目になりました。毎週土曜に放送される80分の報道番組。どうしても時間に追われてしまう毎日のニュース番組と比べ、準備に多くの時間がかけられる分、行き届いた深い内容の放送が出せているという充実感があります。
基本的に、毎回20分前後の特集を2本放送。スタッフの人数は少ないですが、プロデューサーをはじめ、ディレクターや記者たちは経験豊富なベテランぞろい。人生のバックグラウンドも多様で、スペシャリスト級の得意分野を持つ人たちの集まりなので、取材の深さにはいつもうならされます。放送前の試写では、それぞれの特集VTRに対し、他のスタッフから、さまざまな切り口の意見がプラスされていきます。ニュースを追いかけるだけではなく、番組独自の考察も加えられる点が、他にはない強みなのかなと思っています。

番組でご一緒している金平茂紀さんと日下部正樹さんは、尊敬できる大先輩。金平さんの反骨精神は唯一無二。権力のウオッチドッグ(監視者)を地でいく姿に脱帽しますが、文化好きの愉快なおじさんでもあります。日下部さんは思慮深くて博学。ものの見方が歴史学者のようだなと勝手に思っています。若い世代や弱者に向けるまなざしに温かさを感じるキャスターです。
それぞれ得意分野があり、お二人は海外情勢や歴史文化に詳しい。私は家族問題や医療分野などに興味があります。40年の歴史ある報道番組で、堅くてやや難しいイメージがあるかもしれませんが、できるだけ多くの人、幅広い世代の方たちに見てほしいと思っています。そのために番組の個性やメッセージ性を大事にしながら、私は物事に対してできるだけニュートラルな姿勢で臨むこと、皆さんの視点に一番近い立ち位置に徹することを心掛けています

報道のいろいろな現場を取材しましたが、東日本大震災の時、ほぼ毎週、被災地に通った経験は忘れがたいものです。喪失感から立ち上がり、復興に向けて知恵を出し合う人たちから、人間の持つ強さを教えてもらった気がしています。新型コロナウイルスに立ち向かわないといけない今、当時を思い出すことが増えました。取材で出会った方たちと交流が続いているのも財産。家族を連れてプライベートで会いに行くこともあります。こうした仕事を超えた交流は、これからも大事にしたいです。
今後、取り組んでみたいテーマは、超高齢社会の問題や、子どもの教育、女性が活躍する社会について。特に私には4歳になる娘がいるので、子どもたちが生きていく未来が素晴らしいものであってほしいという思いが強くあります。そのためにも、社会に問題があると思ったら積極的に声を上げていきたいです。(次週は小島瑠璃子さんです)

宇内梨沙アナウンサー 誰かのプラスになる言葉を
毎日新聞2020年5月12日 東京朝刊
<TBS系「ひるおび!」(月~金曜午前10時25分)>
報道・情報番組は大抵、台本があって、一つ一つのニュースも尺(時間)に合わせた原稿があります。でも「ひるおび!」にはありません。担当ニュースを自分で肉付けしながらプレゼンしていくスタイルです。
スタッフとの事前の打ち合わせで意見を出したり、自分らしさを表現できたりするので、そこにこの番組ならではのやりがいを感じています。もちろん言葉選びは慎重に。私が日ごろから意識しているのが、自分の仕事の先には必ず人がいるということ。その誰かに少しでもプラスになる言葉を届けることができたら……。世の中が不安になっている今だからこそ、その思いは強くあります。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、アナウンス部も交代制勤務に取り組んでいます。私は元々ゲーム好きのインドア派。休日はたっぷり寝て食べて、ゲームざんまい。普段できないことを思いきりやって、心の健康に努めています(笑い)。

日比麻音子アナウンサー プレゼン前の緊張も快感に
毎日新聞2020年5月13日 東京朝刊
<TBS系「ひるおび!」(月~金曜午前10時25分)>
「ひるおび!」は入社前から携わりたかった番組です。実際に参加して驚いたのが、本番直前まで全員が内容を吟味していること。放送中もスタジオでのやりとり次第で、ニュースの順番も伝え方もどんどん変わっていきます。トークライブで作っていくような、この番組にしかできない生放送だなと感じています。自分がプレゼンテーションするニュースはどう展開してもいいように、その10倍も20倍も関連資料を読んで臨んでいます。それでも本番前は正直怖くてドキドキ。一方でそれが快感になってきた自分もいます(笑い)。
そんな私の元気のもとは、とにかくよく食べて、よく寝る。気持ちがなかなか前向きにならない時は、小学校から高校までずっと一緒の女友達と、思いきり食べて、飲んで、しゃべる。すると、あースッキリ! 今はリモート飲み会です。先日も同級生10人ぐらいが集まってリモート誕生会を楽しみました。

宇賀神メグアナウンサー 音楽も仕事も想像力を膨らませて
毎日新聞2020年5月14日 東京朝刊
<TBS系「ひるおび!」(月~金曜午前10時25分)>
今は“ステイホーム”。大好きなロックのライブも行けませんが、私の楽しみはやはり音楽です。エアロスミスをイヤホンで聴きながら、一人妄想ライブ。いつか行ける日を夢見ています。毎朝続けているのがラジオ体操第2です。本気でやるとかなりの運動量なので、お薦めです。
私が「ひるおび!」の担当になったのは、入社2年目。司会の恵俊彰さんから学ぶことは多いです。ご自身の毎日の勉強量が半端ではなく、そのうえで視聴者の方が分かりにくいことはないか、知りたいことは何かを常に考えて、コメンテーターの皆さんに質問されています。私も恵さんを見習って、説明は分かりやすく、できるだけ自分の言葉に置き換えるよう心掛けています。どんな状況でも安心してもらえるアナウンサーに早くなりたいです。見てくださる方を想像し、心が和らぐようにお伝えできたらと思っています。(次週は「世界遺産」の制作者です)

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